北米とイギリスを中心にホームレス問題について発信している「Invisible People」の動画を紹介したいと思います。
ラスベガスの地下にある排水用のトンネルで生活するバリーのインタビューです。
ラスベガスで地下トンネルに生活するホームレスは多くいます。
ラスベガスの地下トンネルでホームレスとして生活するバリー
バリーはラスベガスの地下トンネルに2カ月生活しています。
このトンネルは、街の地下に作られている大規模な豪雨用の排水トンネルで、一度大雨がくると全てが流されてしまうはずです。
この撮影時点では、幸運にもバリーは大雨をまだ経験していませんが、ベッドや持ち物は念のため、地面から1,2m高いところに上げられているそうです。
Barry,
バリー
00:03 バリー:
we’re here
今僕たちは
00:05 インタビュアー:
under Vegas, really.
ベガスの真下
00:07 インタビュアー:
In the tunnels under Vegas.
ベガス地下のトンネルにいる
00:08 インタビュアー:
You’re homeless, tell me about it.
君はホームレスだね。話を聞かせてくれるかい
00:11 バリー:
Came out here
ここに来たのは
00:13 バリー:
to kill a day before I went back to my home state
故郷に戻る前の暇つぶしだったんだ
00:17 バリー:
and take care of a couple of things.
いくつか用事を済ませるのにね
00:19 バリー:
Had a backpack stolen with my money,
お金の入ったバックパックや
00:23 バリー:
some family recipes and got stranded here.
家族秘伝のレシピを盗まれて、ここで立ち往生することになったんだ
00:28 バリー:
I’ve been here
ここに来て
00:30 バリー:
two months or so.
2カ月くらいになるかな
00:32 インタビュアー:
Where’s home?
自宅はどこ?
00:35 バリー:
_ Michigan.
ミシガンだよ
00:37 インタビュアー:
How do you survive down here?
どうやってこの地下で生活している?
00:40 インタビュアー:
What’s it like, what’s a day like?
どのような一日を過ごしている?
00:42 バリー:
Let me see.
そうだな
00:43 バリー:
Get up,
起きて
00:45 バリー:
since I got my food stamps I don’t dumpster dive that much.
フードスタンプをもらえたから、それほどゴミを漁ったりすることはしないよ
00:49 バリー:
That’s how I was getting food for a while,
しばらくの間はゴミ箱を漁って
00:52 バリー:
digging through dumpsters.
食べ物を手に入れてたんだけどね
00:54 バリー:
You’d be surprised and what you’d find.
みんな手に入るものに驚くと思うよ
00:59 インタビュアー:
The good stuff’s at the bottom.
残り物には福がある
01:01 インタビュアー:
I always used to tell people.
いつも他の人に教えてたよ
01:05 バリー:
One time I found
以前に見つけたことがあるよ
01:07 バリー:
a fresh bag of bagels, fresh loaf of bread,
手の付けられていないベーグルや
01:13 バリー:
and one of those containers of
パン、ヨーグルトの箱やフルーツの添えられた
01:16 バリー:
the yogurt or the cottage cheese with the fruit on the side.
カッテージチーズを見つけ時とか
01:23 バリー:
Still ice cold.
まだ凍ってて冷たいんだ
01:26 インタビュアー:
Now these are storm drains.
ここは雨水の排水溝だ
01:30 インタビュアー:
Now it doesn’t rain here much,
今は雨がそんなに降ってないけど
01:31 インタビュアー:
but what happens when it rains?
雨が降るとどうなるの?
01:33 バリー:
Since I’ve haven’t been here through a rain I can’t say.
まだ雨を経験してないからわからないんだけど
01:39 バリー:
But from what I’ve been told it gets up to,
僕が言われていることは、上にあげるんだよ
01:43 バリー:
you look at the wall behind you
あなたの後ろの壁がを見ると
01:46 バリー:
you see the black mark, gets up to about there
黒い跡が見えると思うんだけど、あの辺まで上げとくんだ
01:53 バリー:
is where the water level gets usually.
水位がいつも上がる高さなんだ
01:58 バリー:
But sometimes it gets up a little higher than that
でも、時々あれより少し高くなる
02:01 バリー:
by what I’ve been told.
聞いた話によるとね
02:03 バリー:
What do people do?
みんなどうしてるの?
02:06 バリー:
Move their bed up like this
ベッドをこんな感じで上げてるよ
02:09 バリー:
or like the other camps.
それか、別のキャンプみたいな感じだね
02:10 インタビュアー:
That’s why you have your bed built up,
それで君のベッドは上げて設置されてるんだね
02:14 インタビュアー:
that makes sense.
そういうことなのか
02:18 バリー:
That way the water can come under it
水が下を通っていくんだよ
02:20 バリー:
without washing the stuff away.
荷物が流されずにね
02:24 インタビュアー:
This is no way to live.
これは住める場所じゃないよ
02:26 インタビュアー:
What do you do when you get outta here?
ここから出る時は何をしているの?
02:30 バリー:
When I leave here,
ここを出ると
02:33 バリー:
my normal days,
僕の通常の日々だよ
02:35 バリー:
I go to the casinos where it’s cooler.
涼しいカジノに行ってる
02:38 バリー:
Stop by _ and use their restroom.
***へ寄って、トイレを使ってる
02:41 バリー:
Get water there.
そこで水も手に入れてるよ
02:44 バリー:
Go out to Hope of Southern Nevada once a week.
Hope of Southern Nevadaへ週に1度行っている
02:48 バリー:
Go around town.
街を歩き回ったり
02:53 バリー:
I can come back here where it’s cooler.
涼しいこの場所に戻ってくることもできる
02:57 インタビュアー:
Is there any support services?
支援サービスはある?
02:58 インタビュアー:
Do people come down here?
誰かここに降りてきたりする?
03:00 バリー:
Hope of Southern Nevada does.
Hope of Southern Nevadaがやってるよ
03:03 バリー:
They’ve been down three times since I’ve been here.
僕がここに来てから3回来てるね
03:08 バリー:
I take that back, twice.
いや、2回かな
03:11 バリー:
They’re the only ones that usually
いつもここに降りてくるのは
03:13 バリー:
that I know of that’s been down here.
彼らだけじゃないかな
03:16 バリー:
But a couple other like Catholic charities I think.
カトリックのチャリティみないなのも少し来ると思うけど
03:22 バリー:
By what one of the other guys was telling me
他の人の話から聞いた話によるとね
03:24 バリー:
comes down like Christmas time, that’s about it.
クリスマスの時なんかにね。そんな感じかな
03:30 インタビュアー:
What’s your future like?
将来はどうするの?
03:35 バリー:
If I can get the money, go to culinary arts school
もしお金が手に入ったら、調理師が校にいく
03:39 バリー:
or get into truck driving.
それか、トラック運転手
03:43 バリー:
Til I can get the money, that’s on hold.
お金が手に入るまでは保留だね
03:46 インタビュアー:
Now culinary arts school,
調理師学校って言ったね
03:47 バリー:
you said you had some recipes that you lost or something.
レシピをなくしたとかって言ってたけど
03:50 バリー:
Yeah those recipes were from my
そうなんだ。そのレシピは
03:54 バリー:
both sides of my dad’s family.
父方の両家族からもらったものなんだ
04:02 バリー:
Let’s see two of them were my great
そうだな、そのうち2つは
04:05 バリー:
greatgrandfather’s.
僕のひいひいお爺さんのだったんだ
04:08 バリー:
A couple others were my greatgrandmother’s.
他の二つはひいおばあさんからのだった
04:12 インタビュアー:
If you had three wishes what would they be?
三つ願いが叶うとしたら、何を願う?
04:16 バリー:
Money, go back in time,
お金だね。その時が来たら家に戻って
04:19 バリー:
redo some stuff.
元の生活に戻るんだ
04:22 バリー:
And do some stuff differently.
以前と違う感じでね
04:24 バリー:
And three more wishes.
そして、もう3つお願いできるようにお願いするよ
04:28 インタビュアー:
Thank you very much for talking with me.
話てくれてありがとう
04:29 バリー:
No problem.
どういたしまして
多くのホームレスのように、バリーもおかしな官僚仕事によってセーフティーネットから抜け落ちてしまっているそうです。
仕事を見つけることはほぼ不可能な状態ということです。
バリーの生活しているラスベガスの地下トンネル
ラスベガスに限らず、地下のトンネルなどに暮らすホームレスは世界中に見られる光景です。
特に雨水の排水溝は、大雨が降らなければ水が押し寄せてくることはないですし、下水溝ではないので衛生面でもまだ耐えうる場所になると思います。
しかし当然ながら、ひとたび大雨になると全て流されてしまいますし、そこで生活している人々の命がどうなるのかは誰にもわかりません。
この地下の排水トンネルは、ラスベガスの街の地下に全長300km以上取っており、1,000ともいわれる人が生活していると言います。
このラスベガスの排水トンネルでは、飲料にはなりませんが、場所によっては水も手に入るといいます。
地上のホテルの庭の排水が繋がっており、庭の水まきに使用された比較的きれいな水が流れている場所があるそうです。
そこで手や身体を洗う人もいるという話です。
札幌でもビルなどの半地下スペースや、地下鉄への階段の踊り場、ビルとビルの間などで夜を過ごすホームレスの方がいます。
特に夜は寒さも厳しい札幌ですので、このような場所が彼らの命を守る場所にもなっています。
雨風がしのげたり、暑さや寒さから逃げられる場所を得るというのは真に死活問題なのだと思います。
ラスベガスの地下トンネルでホームレスとして生活するバリーの持っているフードスタンプ
ラスベガスの地下に住むバリーが手に入れたという「フードスタンプ」とは、アメリカで実施されている、低所得者に支給される食料補助プログラム(SNAP)のカードを指します。
フードスタンプを持って利用可能なスーパーへ行くと、食品の購入ができます。
もちろん嗜好品などには使用できません。
以前は紙のクーポンでしたが、今は磁気カード(EBTカード)になっていて、他の公的補助を受ける際にも利用されているそうです。
アメリカでは国民の8人に1人が利用していると言われており、広く利用されている公共サービスになっています。
ただ一方、このフードスタンプの転売する人が一定数おり問題になっているそうです。
日本でも生活保護費のギャンブルや薬物などの利用を防ぐために、支給方法の一つとしてフードスタンプを利用した、現金ではない食料での支給が議題に上がることがありますね。
日本でのホームレス支援
日本では数多くのホームレス支援団体がありますが、その中に雑誌の販売を通して支援を行う「ビッグイシュー」という団体があります。
イギリスから始まったホームレス支援を行う雑誌「ビッグイシュー」は日本でも発行されており、札幌でも「ビッグイシュー」の販売が行われています。
札幌のビッグイシュー販売場所は以下の記事で紹介していますので、もし興味があったら一度手に取ってみてください。
「ビッグイシューさっぽろ」ではボランティアも募集しています!
ビッグイシューさっぽろ | ボランティア募集
コメント
Only wanna say that this is invaluable , Thanks for taking your time to write this. Angelika Ralf Champ