【アメリカのオピオイド危機】ホームレス男性がヘロイン・薬物依存について語る【Invisible People】

キースInvisible People
キース
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北米とイギリスを中心にホームレス問題について発信している「Invisible People」の動画を紹介したいと思います。
ここで付けられている日本語訳は「Invisible People」のYouTubeチャンネルへ無償提供されています。

薬物(ヘロイン)依存を抱えてアメリカ、ハリウッドの路上で生活するキースへのインタビューです。

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薬物(ヘロイン)依存を抱えてホームレスをするキース

インタビュアーも元薬物依存だったということで、キースにシンパシーを感じるところが多いようです。

00:01 インタビュアー:
Keith, you’re out here
キース、君はここで

00:03 インタビュアー:
in Hollywood homeless.
ハリウッドでホームレスなんだね

00:04 インタビュアー:
Tell me about it.
話を聞かせて

00:06 キース:
Well, let’s see, there’s not too much to tell honestly.
そうだな、正直あまり話すことはないんだけど

00:13 キース:
I could probably get off the streets if I tried
もう少し努力して、適応してれば

00:15 キース:
a little bit harder, applied myself.
もしかすると路上生活から抜け出せたね

00:19 キース:
It’s not really that dangerous like everyone says
みんなが言うほどそれほど危なくはないよ

00:21 キース:
as long as you stick by yourself and don’t hang
しっかりやって、他のホームレスと

00:26 キース:
out with other homeless people, you’re usually pretty okay.
遊び歩くようなことがなければね。たいてい大丈夫だよ

00:29 キース:
My problem is I’m addicted to heroine
私の問題はヘロインの常習なんだ

00:33 キース:
so that’s basically why I can’t get off the street.
だから路上生活から抜け出せないでいるんだ

00:37 キース:
I ended up losing my job in the housing industry when the
景気が悪くなって建設業界での仕事を失って

00:42 キース:
market went down and I was addicted to painkillers
痛み止めを常用するようになった

00:46 キース:
and when the painkillers got too expensive, I switched
痛み止めは高くなってからは

00:49 キース:
to heroine, and everything went downhill from there.
ヘロインに切り替えて、全てが悪い方向に向かっていったんだ

00:54 キース:
I lost the apartment, the girl, the dog and ended
アパート、彼女、犬を失って

00:59 キース:
out in the street, which I basically gave everything
路上生活になった。ほとんど全てをヘロインに

01:02 キース:
up for heroine, you know, so if anyone like ever asks
つぎ込んでね。もし誰かがヘロインを打つのは

01:05 キース:
what it’s like to shoot heroine, it’s probably
どんな感じかと聞かれたら、たぶん

01:08 キース:
the only thing that’ll get a man to give up
金、仕事、家族、女を手放すことに

01:11 キース:
money, job, family, pussy, you know.
なるだけだと答えるよ

01:16 インタビュアー:
Takes your life away.
人生を放り出しているんだね

01:18 キース:
Yeah, it does.
その通りだよ

01:19 キース:
I mean, basically, there’s two sides to it.
基本的にこういうことだよ。二つの側面があって

01:24 キース:
It sucks because it does take your life away
ヘロインは本当に人生を放りださせてくれるから吸うんだけど

01:28 キース:
but at the same time, it’s taking your life away
同時に、ヘロインが自分の人生を放り出しているんだ

01:30 キース:
because of the nature of it like being scheduled
すでに決められたことのように、自然のことなんだから

01:35 キース:
a narcotic and like, you know, you can’t get it.
麻薬とかもね。そんなことできないよ。

01:41 キース:
Your only options are to go and like get on methadone.
唯一の選択はメサドンとかだね

01:44 インタビュアー:
Are you on methadone maintenance?
メサドン治療を受けているの?

01:46 キース:
No, I’m not gonna.
いや、受けないよ

01:48 キース:
Methadone maintenance is actually a lot,
実際メタドン治療はかなり大変で

01:50 キース:
I mean it’s legal, but it’s a lot more evil
要するに合法だけど、ヘロインよりも

01:53 キース:
than heroine because heroine, if you kick it,
かなり悪いんだ。もしヘロインを止めようとすると

01:56 キース:
it’s like an eightday kick.
8日くらいかかるけど

01:59 キース:
If you kick methadone, it’s about a month
メタドンを止めようとすると、だいたい1カ月半の間

02:00 キース:
and a half of like pure hell throwing up,
吐き気のする苦痛を味わうんだ

02:03 キース:
shitting yourself, so I choose.
恐怖にかられたりね。だからヘロインを選んだ

02:08 インタビュアー:
Have you tried to kick?
止めようとしたの?

02:09 キース:
Yeah, I’ve tried a couple of times.
ああ、何度か試したよ

02:11 インタビュアー:
Just not ready yet.
まだやめる準備ができていなかっただけ?

02:12 キース:
Well, Yeah, I mean, A, I still like it too much
そうだね、実は、まだ好きでやめられないんだ

02:16 キース:
and I still have, I’m still able to get it every day.
まだ持ってるし、まだ毎日使えるから

02:22 キース:
So I still like it too much.
好きで止められない

02:24 キース:
That’s part of the reason why I won’t kick
止められない理由の一つだね

02:26 キース:
and second of all, you know, you try to kick on the street
二つ目に、路上生活でヘロインをやめようとして

02:29 キース:
and once you get to a point in the sickness
病気になっていることがわかって

02:31 キース:
where you’re like two, three days into it,
2、3日患っていると

02:34 キース:
you know that it’s basically only a phone call away
ヘロインが、元に戻るためにかける

02:36 キース:
to like feel right again, you know.
電話のようになるよね

02:38 インタビュアー:
I couldn’t.
私はできなかったよ

02:40 インタビュアー:
I have 16 years sober.
私は薬物を止めて16年になるんだ

02:41 インタビュアー:
I was out here 16 years ago, and I couldn’t,
16年前、路上生活をしていたけど、やめる事はできなかった

02:44 インタビュアー:
oh my gosh, there was no way.
そうか。仕方がないね

02:47 インタビュアー:
If I got dope sick in a park, I’d be vulnerable,
もしどの辺の公園で麻薬にハマってたら、危ない状態になると思う

02:49 インタビュアー:
you know what I mean?
わかるよね?

02:51 インタビュアー:
There’s no way that I was gonna get sober out here.
路上でシラフになる方法はないよ

02:55 インタビュアー:
Plus, it sucks.
そして、溺れてたね

02:56 キース:
Right.
そうだね

02:59 インタビュアー:
What’s your future like?
将来はどうするの?

03:01 インタビュアー:
What are you, I mean, you’re a smart guy, you know?
そうだな、君は賢いだろ?

03:04 キース:
I just realized that basically there’s no,
あることに気付いたんだけど

03:08 キース:
wait for the siren to go past.
サイレンが過ぎ去るのを待とう

03:12 インタビュアー:
Well, thank you.
ありがとう

03:13 インタビュアー:
(laughs)


03:18 キース:
I mean I basically realized there’s no future
要するに、未来は無いということに気付いたんだよ

03:20 キース:
until I actually get sober, so basically like
薬を止めるまでね。だから

03:24 キース:
the way I look at it is just like my life is
今僕の人生は一休みしているようなものだと

03:26 キース:
kind of just on pause right now.
思っているんだ

03:29 キース:
It’s like I’m 35 and I know when I wanna quit.
今35歳でいつ止めたいかはわかってる

03:36 キース:
I mean I can get everything back easily, you know.
全てを簡単に取り戻せるってことだよね

03:39 キース:
It’s just I actually have to quit and do it,
ヘロインを止めて、ただそれをやらなきゃならないだけだよ

03:42 キース:
but I’m just not ready to do it yet,
でも、まだその準備ができていない

03:43 キース:
so I’m not gonna like kid myself and say,
子供みたいなことはしないで

03:46 キース:
Oh, yeah, you know I’m out here lookin’ for a job
「ああ、そうだ、仕事を探しながら路上で生活しているんだ」とか

03:48 キース:
or I’m trying to do this or that because I’m not.
本当はやってないのに「あれやこれや頑張ってるんだ」と言ったり

03:51 キース:
You know, I actually do not mind sleeping on the street.
実は僕は路上で寝ることは気にならないんだ

03:57 キース:
I don’t mind at all.
全然気にならない

03:58 キース:
Like, I have a spot down here that I stay at by Fairfax
フェアファックスのそばに寝ている場所があって

04:03 キース:
and it’s quiet, nobody bothers me.
静かで、誰にも邪魔されない

04:06 キース:
I get great fuckin’ sleep every night, 10 hours a night.
毎晩爆睡で、10時間睡眠だよ

04:10 キース:
You know what I mean?
どういうことかわかる?

04:11 キース:
Like, I go to sleep around 10:00 at night and I wake up
夜10時くらいに寝て、起きると

04:14 キース:
around 8:00 in the morning, you know.
朝の8時くらいなんだよ

04:16 インタビュアー:
Well, you’re also doped up, too.
薬を打たれたみたいに寝てるわけだね

04:21 キース:
Well, exactly, exactly, you know what I mean, yeah.
その通りだよ。わかってるね

04:23 キース:
Yeah, you know, it’s like I do my shot.
薬を打ってるみたいな感じだよ

04:26 インタビュアー:
In fact, I know I haven’t had a good
実際のところ、私は薬を止めてから

04:28 インタビュアー:
night’s sleep since I got sober.
よく寝れてないんだ

04:30 キース:
That’s part of the reason why I’m not ready to quit yet.
それが止める準備がまだできていない理由の一つだよ

04:32 キース:
You know what I mean, it’s like, ‘cause I know
あなたもわかると思うけど、そうなるのを知ってるから

04:34 キース:
what it’s gonna be like.
今こういう状態なんだ

04:35 キース:
It’s gonna be pure hell, you know.
かなり辛くなるよね

04:36 インタビュアー:
But you could do it, dude.
でも君はやれると思うよ

04:39 キース:
Yeah, I know.
ああ、そうだね

04:40 キース:
I know I can do it.
わかってるよ

04:41 キース:
I know that right now, there’s no way I could do it
今はやれないのもわかってる

04:43 キース:
because I don’t wanna do it yet.
まだやりたくないからね

04:45 インタビュアー:
Right, right.
わかるよ

04:46 インタビュアー:
It’s your choice.
君の選択だ

04:47 キース:
exactly, so you know.
そうなんだ

04:49 キース:
I don’t know, man, I guess like the way I look at it is
わからないけど、このやり方は

04:52 キース:
is I put it in perspective.
広い視野で見るってことなのかな

04:54 キース:
It’s like I’m not one of these homeless people
僕は、誰もが何かを持っていると思っている

04:55 キース:
that thinks everybody owes them somethin’
ここにいるホームレスの人たちとは違うし

04:57 キース:
or I’m like bitchin’ about it because you know,
それに文句も言わない

04:59 キース:
I still eat better and live better than probably
まだちゃんと食べれてるし、

05:01 キース:
95% of the world’s population, so it’s like,
たぶん世界の95%の人々よりも良い生活をしている

05:04 キース:
you know, to me it’s not rock bottom yet.
僕にとっては、まだどん底ではないよ

05:08 キース:
So, you know, when I do feel like it’s rock bottom
どん底だと強く感じた時や

05:14 キース:
or I just can’t go any further or I start
もうこれ以上進めない時とか

05:15 キース:
to lose my mind, then maybe I’ll end ‘em.
正気を失ったときは、たぶん終わらせるよ

05:18 インタビュアー:
Well, your socks are rock bottom, dude.
君の靴下は(価格が)どん底だよね

05:20 キース:
Yeah, no, they’re the socks are horrible man.
ああ、いや、靴下は酷いね

05:21 インタビュアー:
Yeah, you’re ripe for some new socks, so.
新しい靴下を買うタイミングだよ

05:24 インタビュアー:
If you had three wishes, what would they be?
もし3つ願いが叶うとしたら、何を願う?

05:25 キース:
Ah, see, I’d probably wish that I could take some
そうだね、麻薬がどんなものなのかを

05:32 キース:
type of pill that would make me never remember
忘れさせてくれる薬のようなものが手に入ったらと

05:38 キース:
what opiates feel like and then, let’s see,
願うかもね。そしてあとは、

05:44 キース:
second wish would probably be to have my dog back
二つ目は犬を飼いもどすことと

05:50 キース:
and the third wish would probably be to have my cat back.
三つ目は猫を飼いもどすことかな

05:54 キース:
Yeah, that’s what I’d wish for.
うん、それが願いだね

05:58 インタビュアー:
Well, thank you very much for talking to me.
そうか、話してくれてありがとう

05:59 キース:
Oh, No problem, man, thank you.
いいよ、ありがとう

06:01 キース:
Take it easy.
それじゃ

ホームレスにとって深刻な薬物(ヘロイン)依存と「オピオイド危機」

日本では薬物規制が強いので、それほど簡単にヘロインなどの薬物を手に入れられる環境にはありません。
手に入れられたとしても、安くはないために諸外国よりも割合として少ないというのが現実です。
どちらかと言うと、同じような摂取利用としてアルコール依存症の方が日本のホームレスには多いと言われています。

アメリカなどで使用されているオピオイドというのは、麻薬系の鎮痛効果のある薬で基本的には医師によって処方されるものになります。
オピオイドには依存性や過剰摂取による死亡する可能性があり、アメリカでは大きな社会問題となっています。

オピオイドはその効果の強さから利用は広がり、製薬会社が製造販売に力を入れていきます。
それまでの薬物の代替品として利用されるようになり、医師からの処方箋を取り付て転売する人も多くいるそうです。
2010年ころから世界的にオピオイドの過剰摂取による死者が増えていき(リーマンショックが原因とも)、 2017年にはアメリカ政府が「オピオイド危機」として緊急事態宣言を出して取り締まっています。

また別の薬物の代表としてヘロインがアメリカやイギリスなどの国では社会問題となっています。
ヘロインが人気の理由はやはり安価で手に入りやすいことではないでしょうか。
賛否はあると思いますが、スコットランドでは薬物依存を緩和するためにヘロインを配るほどです。

ヘロイン利用者の70~80%がオピオイドの利用から入っているとされています。
ビッグイシューではお馴染みの映画「ボブという名の猫」でも、主人公でホームレスのジェームズはヘロインを使用していてメタドン治療を受けていましたね。

こちらのサイトではヘロインの危険性についての動画を配信しています。

ヘロイン | 薬物のない世界のための財団

薬物(ヘロイン)依存を抱えてホームレスをするキースの語る「メタドン」治療

ヘロインやオピオイド依存の治療にはメタドン(メサドン)という薬物を使用することが多いそうです。
メサドンもオピオイドと同じ鎮痛薬の一つです。

ヘロインの離脱症状(いわゆる禁断症状)は最後の摂取から8~12時間以内に発症し、48~72時間でピークに達し、7~10日後にかけて消えていくと言われています。
一方メサドンは、離脱症状の発症は1~3日で、一般的により軽度の症状が長く続く(キースの話では「1カ月半」)とされています。
このように離脱症状がメヘロインよりもタドンの方が長いが症状は軽いとされていますが、キースが感じているようにその症状は人によって異なり、メタドンから抜け出す方が難しいと言う人もいるようです。

日本でのホームレス支援

日本では数多くのホームレス支援団体がありますが、その中に雑誌の販売を通して支援を行う「ビッグイシュー」という団体があります。

BIG ISSUE JAPAN | オフィシャルサイト

イギリスから始まったホームレス支援を行う雑誌「ビッグイシュー」は日本でも発行されており、札幌でも「ビッグイシュー」の販売が行われています。
札幌のビッグイシュー販売場所は以下の記事で紹介していますので、もし興味があったら一度手に取ってみてください。

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