北米とイギリスを中心にホームレス問題について発信している「Invisible People」の動画を紹介したいと思います。
ここで付けられている日本語訳は「Invisible People」のYouTubeチャンネルへ無償提供されています。
アメリカで、7歳から11年間ホームレスとなっている少年「EJ」へのインタビューです。
アメリカで11年間ホームレスをしている少年「EJ」18歳
E.J.
E.J.
00:02 EJ:
Yeah.
なんだい
00:03 インタビュアー:
You’re homeless here on Hollywood Boulevard?
君はここハリウッド・ブールヴァードでホームレスをしてるんだよね
00:04 EJ:
Yah.
そうだよ
00:05 インタビュアー:
Where’d you sleep last night?
昨日はどこで寝たの?
00:07 EJ:
Last night I slept in
昨日の夜は
00:08 EJ:
Universal city’s station till about five.
5時までユニバーサル・シティの駅で寝てて
00:11 EJ:
And then I got kicked out and I slept in Hollywood
追い出された後はハリウッドで寝た
00:14 EJ:
in highland till about eight, woke up.
8時までハイランドで寝てたよ
00:17 EJ:
Yeah.
うん
00:18 EJ:
And the night before that I was under a bridge and then for
そして、一昨日までは橋の下に一週間いて
00:21 EJ:
a week before that I was under that same bridge.
その前も同じ橋の下にいたんだ
00:27 インタビュアー:
That’s no way to live man.
人の住むとこじゃないな
00:29 EJ:
Right.
そうだね
00:30 インタビュアー:
How long you been out here on the streets?
どれくらいホームレスをしているの?
00:32 EJ:
On the streets about 11 years.
11年くらいかな
00:34 インタビュアー:
11 years?
11年も?
00:35 EJ:
Yah.
そうだよ
00:36 インタビュアー:
So you’re out here, cause you’re 18 now.
じゃあ、今18歳てことは
00:40 インタビュアー:
So you’re out here homeless when you’re 11?
11歳からホームレスだってこと?
00:43 インタビュアー:
When you’re nine?
9歳か
00:44 EJ:
When I was seven.
7歳からだよ
00:44 EJ:
When I was seven.
7歳の時からホームレス
00:45 インタビュアー:
Seven?
7歳?
00:46 EJ:
Yah.
そうだよ
00:47 インタビュアー:
I’m horrible at math.
計算が苦手なんだ
00:48 EJ:
I skipped home, like abused shit
虐待をうけて家に帰らなくなって
00:54 EJ:
that I didn’t want to deal with.
関わりたくなかったんだ
00:57 EJ:
I just booked it.
それで連絡したんだ
00:59 インタビュアー:
Did you go into foster care.
里親は考えなかった?
01:01 EJ:
No I booked, well they put me in a foster care,
いや、僕が予約したよ。そして親が僕を里親に入れたんだ
01:03 EJ:
like my parents like died in a car crash and on serious shit
車の事故で両親が死んだか重症みたいな感じでね
01:07 EJ:
I know it sounds cliche but its true and like
決まり文句みたいなのはわかってるんだけど、真実みたいなもんだから
01:11 EJ:
the foster parents were abusive and I just booked it
その里親からは虐待を受けたからまた予約したんだ
01:13 EJ:
cause I was sick of like jumping around like that shit.
僕は飛び跳ねたりしておかしかったからね。
01:17 EJ:
And yeah, I made it to Arizona Phoenix,
そしてアリゾナ・フェニックスまでやってきたんだ。
01:21 EJ:
then I hitch hiked for the next couple years to like Nevada
それから2年間ヒッチハイクしてネヴァダへ行ったり
01:25 EJ:
like Las Vegas around there area.
ラスベガスあたりに行った
01:30 EJ:
And then I hitch hiked to San Fran then I went,
サンフランシスコに行って
01:33 EJ:
trained it, train hopped to Ocean side and then I
電車に乗って西海岸にやってきて
01:38 EJ:
metro linked it over to Hollywood.
ハリウッド行きの地下鉄に
01:40 インタビュアー:
It just caught me by surprise
驚きだな
01:44 インタビュアー:
that you’ve been out here since seven years.
それで7年間ホームレスなんだね
01:47 EJ:
Yeah.
そうなんだ
01:48 インタビュアー:
That’s crazy.
すごいな
01:49 EJ:
Not a lot of people are out here at all.
そんなに外に人は多くないからね
01:51 インタビュアー:
I met one other kid
私は一人の若い子に会ったんだよ
01:53 インタビュアー:
the homeless since five, unbelievable.
5歳からホームレスでね。信じられないよ
01:55 EJ:
You got to fight to survive.
生き抜くために戦い始めたんだね
01:56 EJ:
Shit happens.
最悪なことは起きる
01:57 インタビュアー:
So how do you survive out here?
君はどうやってここで生き抜いているの?
02:00 EJ:
Try to get to know everybody but Not too well.
ここの人達と仲良くなるようにしてるけど、知り過ぎないようにはしてるよ
02:03 EJ:
If you try to be friendly cause you never know
知らない人と仲良くなろうとしたら
02:07 EJ:
if you try to scratch somebody else’s back well
誰かの背中を掻いてあげようとしたら
02:09 EJ:
they might scratch yours you know.
自分の背中を掻いてくれるかもしれないだろ?
02:11 インタビュアー:
Alright.
そうだね
02:12 EJ:
Keep good debts like, Keep your word.
良い借りを作って、約束を守って
02:14 EJ:
Don’t talk shit behind nobody’s back.
陰口をたたかない
02:16 EJ:
I mean like its pretty much the
学校のでのルールみたいなもんだよ
02:18 EJ:
schoolyard rules like multiply duh.
当たりまえのこと
02:21 インタビュアー:
But why don’t you want
でも、なんで
02:23 インタビュアー:
to get to know them too well?
知り過ぎないようにしているの?
02:24 インタビュアー:
I mean why do you say this really.
というか、そうする本当の理由はなに?
02:25 EJ:
If you’re homeless you weren’t good at blending in
ホームレスなら集団に混じるのが苦手だよね
02:29 EJ:
because we don’t like to be found a lot of the time.
時間をそんなに取られたくないからね
02:32 EJ:
We don’t feel comfortable with it.
居心地悪く感じるんだ
02:35 EJ:
It’s just not you know our thing.
集団は僕たちには合わないよ
02:37 インタビュアー:
So where are you going to sleep tonight?
今夜はどこで寝るつもり?
02:40 EJ:
Shit if I know.
わからない
02:42 EJ:
I don’t have a sleeping bag.
寝袋は持っていないし
02:43 EJ:
I don’t have nothing my shit got jacked yesterday.
何も持っていないんだよ。昨日僕のは盗まれたんだ
02:45 インタビュアー:
Okay that’s why you were saying
そうか、それで君は
02:47 インタビュアー:
all of your stuff got stolen.
自分の持ち物が全て盗まれたと言ってたのか
02:48 インタビュアー:
Oh my gosh.
大変だな
02:49 インタビュアー:
What’s your future like?
将来はどうするつもり?
02:52 EJ:
Army.
軍隊だね
02:54 EJ:
Army, I’m in the application process for the army.
今軍隊の志願手続きをしている
02:58 インタビュアー:
Really, awesome, that’s cool.
ほんとに?すごね。
03:01 EJ:
Its the only way to get off these streets, get some food
路上生活から抜け出して、
03:05 EJ:
in your stomach three times a day, seven days a week, 365
365日毎日3回食事をするにはこれしかないんだ。
03:09 EJ:
Its the only way to get a bed.
ベッドで寝る唯一の方法だよ
03:12 EJ:
Shit you do three years,I mean
3年間できし
03:13 EJ:
if you like it you could just stay there.
もし気に入れば、続けられるかもしれない
03:15 インタビュアー:
If you had three wishes what would they be?
3つ願いが叶えられるとしたら、何を願う?
03:18 EJ:
Money, obviously.
まずはお金
03:20 EJ:
To get the fuck off these streets.
こんな路上から抜け出すのにね
03:24 EJ:
I’d have to say two, just be like you know, Like obviously.
あと二つだよね。そうだな
03:32 EJ:
Fuck I don’t really know.
よくわからないな
03:34 EJ:
You know I don’t think about shit like that because
僕はそんなこと考えないから
03:35 EJ:
on the streets you don’t wish for things
路上では何も願わないんだよ
03:36 EJ:
you just wait for them to happen.
ただ偶然を待つだけなんだ
03:38 EJ:
Cause you cannot control really anything.
何もコントロールできないからね
03:41 EJ:
So I’m sorry to throw off your question like that but
質問に答えてなくて悪いんだけど
03:43 EJ:
it’s really difficult to say what it is especially
具体的に挙げるのがかなり難しいよ
03:45 インタビュアー:
I’d rather have you be honest and real bro.
君は正直だし、いいやつだよ
03:47 EJ:
Especially if you’ve been raised on the streets.
特に路上で育ったのなら
03:49 EJ:
I’ve been raised on the streets.
僕は路上で育ってきたんだ
03:51 EJ:
Like I said I’ve been from Arizona in Nevada
さっき言ったけど、ネヴァダのアリゾナから来て
03:53 EJ:
all the way down here.
はるばるここまでやってきたんだ
03:55 EJ:
I know people in San Fran.
サンフランシスコに知り合いもいる
03:56 EJ:
I know people in Pheonix.
フェニックスにも
03:58 EJ:
I know people in Las Vegas.
ラスベガスにも知り合いがいる
04:00 EJ:
I mean Legit people that aint bullshitters
本物の人間はクソみたいな人とは違うし
04:03 EJ:
but you know like they have a link with us
みんな僕たちと繋がってるよね
04:06 EJ:
when they went through what we went through
僕らの経験した同じことを彼らが経験した時や
04:08 EJ:
or they know somebody we know
彼らが僕らの知り合いをよく知っている時
04:13 EJ:
Pretty much
なんかにね
04:14 インタビュアー:
It’s life on the streets.
それが路上生活というものだね
04:15 EJ:
If I had to give you one piece of advice about
もし路上でのアドバイスを一つ言うとするなら
04:17 EJ:
being on the streets is make friends
友達を作って
04:18 EJ:
and stay the fuck away from anybody you make an enemy of.
敵を作らないようにすることだよ
04:22 インタビュアー:
Well thank you very much for talking to me.
そうか、話してくれてありがとう
04:24 EJ:
Yeah.
いいよ
願い事を持つことが路上生活では意味のないこと、そして友達を作ることの大切さをEJが話しています。
アメリカで11年間ホームレスをしている少年「EJ」18歳の受けた親からの虐待
アメリカで子供のうちにホームレスになる理由として、家庭での虐待は珍しくないようです。
それでもアメリカでは虐待について日本よりも法的に厳しく取り締まっていると思います。
家に子供を一人にして外出すると親は罪に問われる可能性がありますし、子供が虐待されていると知って通報しなかった場合も犯罪となります。
そのようなアメリカにおいても、行き場のなくなる子供は多く、EJのように子供のうちからホームレスとなるケースはあるそうです。
日本でも、虐待がわかると自治体が介入して解決に向けて対策が取られることがありますが、児童養護施設に馴染めずに逃げ出し、そのまま一時的にホームレスとなるケースがあります。
子供に自分の生きる環境を選択することは難しいので、親や周辺社会が守ってあげなければならないですね。
アメリカで11年間ホームレスをしている少年「EJ」18歳の目指すアメリカ軍への入隊
アメリカは徴兵制でありませんので、職業として入隊を選ぶことになります。
軍への入隊は特に高い学歴は問われず、永住権があれば基本的な要件はクリアできますので、若いアメリカ人であるEJにとっては将来の現実的な選択肢の一つとなります。
しかし、アメリカでは経済的な理由で入隊するケースが多く、社会問題とされています。
EJのようにホームレスであったり、貧困層の若者の入隊が多いようです。
また、学生や学費を稼ぎたいと考えている若者の入隊も多く、 学費を工面するためや、奨学金や学費の返済の為に入隊する若者も多いと言われています。
また、経済的に厳しい状況にある移民を中心として外国人の入隊も多く、ブッシュ政権時代には入隊すると市民権が得られる事になり、移民の入隊が増加したそうです。
人員をリクルートをしている政府側では、貧困層の多い地域での入隊の広告を出していることなどから、経済的な背景を利用した入隊勧誘を行っているとして批判する方もいるようです。
一方日本でも、経済的な理由で自衛隊に入隊する人も少なくないのではないでしょうか。
私の友人でも、家庭の経済的な理由から防衛大学や防衛医大を選択する人はいました。
この「経済的な理由での入隊」という文脈とは異なるのですが、アメリカやイギリスのホームレスには退役軍人の方も多いと言います。
兵役中に負った精神的な疾患によって仕事に就いたり、通常の生活をすることが難しくなり、時には薬物やアルコール中毒となる事もあって、ホームレスになってしまうことがあるそうです。
こう考えると、軍隊と貧困は関係の強いものなのかもしれません。
日本でのホームレス支援
日本では数多くのホームレス支援団体がありますが、その中に雑誌の販売を通して支援を行う「ビッグイシュー」という団体があります。
イギリスから始まったホームレス支援を行う雑誌「ビッグイシュー」は日本でも発行されており、札幌でも「ビッグイシュー」の販売が行われています。
札幌のビッグイシュー販売場所は以下の記事で紹介していますので、もし興味があったら一度手に取ってみてください。
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